令和7年度 新潟県立小出高等学校 入学式 校長式辞

越後三山の雪が魚野川の清らかな流れとなり、暖かな春の光に包まれ、桜の便りが聞こえる今日のよき日、ご多用の中、魚沼市長
内田 幹夫 様 をはじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、ここに令和7年度新潟県立小出高等学校入学式を挙行できますことは、こ
の上ない慶びであります。

新入生の晴れやかな姿を見守るために、ご臨席を賜りましたことに、厚く御礼申し上げます。
いまほど入学を許可いたしました117名の皆さん、入学おめでとうございます。 保護者の皆様、ご家族の皆様。誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

皆さんは、全国4,700以上、県内およそ100ある高等学校の中から、この小出高等学校への進学を選択しました。
本校は、今から77年前の昭和23年に、新潟県立小千谷高等学校小出分校として創立して以来、誠実にして、責任感があり、自主的に物事を進めようとする、地域社会に貢献できる人材育成の役割を担ってきました。

これまで、1万9千人を超える卒業生を世に送り出し、現在、新潟県内外の各地、各界で活躍されていることは周知のとおりであります。新入生の皆さんも、多くの先輩たちのように、努力を惜しまず、切磋琢磨し、充実した三年間を過ごしてください。

さて、皆さんに一つお願いしたいことがあります。それは「当たり前を疑う」ということです。自分自身の「当たり前」と、社会の中の「当たり前」のどちらにも疑問を持ち、「本当にこれでいいのか」、「もっとよくできないか」と、改善する気持ちをもって生活してほしいと思います。

自分自身の「当たり前」としては、自分の生活習慣や人との接し方などがあります。例えば、これまで本を読む習慣がなかった人が、毎週1冊本を読むことは、自分自身のこれまでの「当たり前」を変えることになります。

また、社会の中の「当たり前」としては、法律やルール、世の中の常識や流行などがあります。例えば、ある学校では、以前は、応援団に女性は入れないことが「当たり前」だったのですが、今では、生物学上の性に関係なく、希望した人が、応援団員として活躍するようになりました。

私たちは、多くの人が行っていることが「当たり前」だと思いがちですが、どんなことにも、「当たり前を疑う」姿勢を忘れず、この変化の激しい現代社会を、よりよくできる人になるよう努めてください。

むすびに、保護者の皆様、ご家族の皆様に申し上げます。新入生であるお子様にとってのこれからの3年間は、人間的に大きく成長し、自分の将来像を描く自立への道のりとなります。その過程は、楽しいことばかりではなく、苦しいこと、嫌なことに直面することもあるかもしれません。

そんなときには、人生の先輩として、ご家庭で、ときには厳しく、ときには温かく、お子様に寄り添い、適切な助言をお願いいたします。学校では、私たち教職員一同、本日入学を許可いたしました117名の生徒皆さんの教育に全力を注ぐことをお約束いたします。

新入生の皆さんが、今日の喜びと決意を忘れることなく、充実した高校生活を過ごし、立派に成長されることを願って、式辞といたします。

令和7年4月7日

新潟県立小出高等学校長
髙松 利治